MENU
PICKUP
税務ニュース
昨年12月20日に2025年度(令和7年度)税制改正大綱が公表されました。もっとも注目されたのは「103万円の壁の引き上げ」です。どうなったのでしょうか。いつから始まるのでしょうか。今回は、103万円の壁の引き上げと大学生のバイトの壁の引き上げを中心に解説します。 2025年度(令和7年度)税制改正①「103万円の壁」が「123万円の壁」に 個人向けの税制改正の1つ目は「103万円の壁の引き上げ」です。 103万円の壁とは、パート・バイトといった給与所得者の非課税枠を言います。「給与所得控除の下限55万円+基礎控除額48万円=給与年収の非課税の上限103万円」という内容です。 多くのパート・バイトはこの103万円の壁を気にするため、年末になると「働き控え」という現象が起きていました。そのため、企業は人手不足に悩み、家計は物価高が改善されないという状況に陥っていたのです。 そこで、与党から政策協力を求められた国民民主党が「103万円の壁を引き上げるべきだ」と提案しました。議論が重ねられた結果、今回の税制改正で103万円の壁が引き上げとなったの...
社会保険ワンポイントコラム
治療と仕事の両立についての社会的背景 近年、医療の進歩により、がんのように以前は不治とされていた病気でも生存率が向上し、長期にわたって仕事との両立が可能になりつつあります。病気になったらすぐに離職しなければならないという状況から、治療を行いながら仕事を続けられる社会的環境へと変化しています。 しかし、疾病や障害を抱える従業員を支援するための社内体制が整っていない場合、従業員は仕事を続けたくても離職を選択せざるを得ません。これは企業にとっても人材の大きな損失といえるでしょう。 両立支援の内容 治療と仕事の両立支援の内容ですが、具体的には次のような柔軟な働き方ができる制度を設けた上で、私傷病の治療や療養を目的とした利用ができるようにします。 時差出勤制度 短時間勤務制度 時間単位の休暇制度・半日休暇制度 フレックスタイム制度 在宅勤務(テレワーク)制度 休職制度 両立支援に取り組むことの効果 労働政策研究・研修機構(JILPT)の「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)2024年3月」によれば、上記のよう...
21件 1~20件を表示
2024.02.23 税務ニュース
令和5年度の税制改正により、相続時精算課税制度の見直しが行われました。相続時精算課税制度は平成15年に創設されたものですが、一度選択すると撤回することができず、また必ずしも有利になる訳ではないため、制度を選択するには慎重な判断が必要で、あまり活用されていませんでした。 改正により、相続対策として使いやすくなりましたので、相続時精算課税制度のおさらいとその活用方法をお伝えいたします。 暦年課税贈与と相続時精算課税制度の概要 贈与税の計算方法は、「暦年課税贈与」が原則となります。暦年課税贈与の場合、年間110万円の基礎控除額があるため、贈与でもらった財産の額が110万円を超えなければ申告不要、超えた場合は超えた額に応じた贈与税率を乗じて贈与税を算出します。また、相続税の計算上「生前贈与加算」の規定があり、相続開始前7年以内(令和6年1月1日以降の贈与の場合)の贈与財産を相続財産に加算して相続税を計算します。 それに対し、相続時精算課税制度は、選択した場合に適用がある特例制度です。特別控除額2,500万円がありますので、贈与税の負担なく次世代に大きく財産を移転することが可能です。...
2023.12.08 税務ニュース
電子帳簿保存法はこれまで幾度となく改正を繰り返され、特に、令和3年度税制改正において抜本的な見直しがされました。電子帳簿等保存、スキャナ保存については、電子での保存がぐっと楽になりました。一方で、電子取引データの電子保存が義務化され、紙保存が認められなくなるのでは?と一時騒然としましたが、この義務化については、2年間の宥恕措置を経て、さらに令和5年度税制改正において猶予措置(恒久的)も設けられました。 めまぐるしい改正で、実務上、結局どう保存すればいいの?と迷われている事業者も多いと思います。そこで今回は、特に中小企業がスムーズに対応できるよう、確認していきたいと思います。 1. 電子帳簿保存法の概要 電子帳簿保存法とは、各税法で原則紙での保存が義務付けられている帳簿書類について、一定の要件を満たしたうえで電子データによる保存を可能とすること、及び電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めた法律です。電子帳簿保存法上、電子データによる保存は、大きく「①電子帳簿等保存」、「②スキャナ保存」、「③電子データ保存」の3つに区分されます。 「① 電子帳簿等保存」は、...
2023.12.01 税務ニュース
10月1日に始まったインボイス制度への対応に追われた事業者様も多いと思いますが、実は2024(令和6)年1月から電子帳簿保存法が改正されます。今回は、「電子帳簿保存法」について知っておきたいキホンから、対応しないとどうなるか?について解説します。 1. 電子帳簿保存法ってなに?電子帳簿保存法の3つの内容 電子帳簿保存法(電帳法)の正式名称は、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿の保存方法等の特例に関する法律」です。本記事では「電子帳簿保存法」とします。 電子帳簿保存制度は、税法上保存等が必要な「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」を、紙ではなく電子データで保存することに関する制度で、3つの制度に区分されます。 電子帳簿保存法の3つの制度は… ①電子帳簿等保存(任意・一定の場合は加算税軽減特典) ②スキャナ保存(任意) ③電子取引データ保存(法人・個人事業者は対応必要(義務)) 電子帳簿保存法のポイントは次の2点です。 電子帳簿保存法ではこの3つの制度がある 電子取引データ保存の対応は必要(義務) 2. 改正電子帳簿保存法の内容~202...
2023.08.28 中小企業おすすめ情報
はじめに 2023年4月1日で労働基準法の重要な法改正から3年を迎えました。賃金請求権の消滅時効期間の延長です。従来、賃金請求権の消滅時効期間2年でしたが、2020年4月1日の労働基準法改正により、賃金請求権の消滅時効期間が3年(当分の間の措置であり、将来的には5年)に延長されました。つまり、今日現在において賃金未払いがあった場合、きっちり過去3年間遡って請求される可能性があるということです。 「うちの会社には賃金未払いなどないはず!」と自負されている会社様も多いと思います。 この“賃金未払い”には、給与計算誤りによるものや残業代不足なども含まれます。意図せずして潜在的に賃金未払いが起きてしまっていることも往々にしてありますので、今一度自社の給与計算方針に誤りがないか、再確認していただけたらと思います。 給与計算の基本①「就業規則通りに運用されているか?」 最近、就業規則(給与規程を含みます)の重要度が非常に高まっているのを感じます。労務の分野では、キャリアアップ助成金など多くの助成金がありますが、就業規則が規定している通りにきちんと運用されているか、という点をかなり厳格...
2023.04.21 税務ニュース
個人事業主の方は確定申告が終わりほっと一息、3月決算の方はこれから決算と申告ですね。日常業務もありますが、本年10月からはいよいよ適格請求書等保存方式(インボイス制度)が始まります。これに伴い、新規開業や新設法人など従来の制度では免税事業者であった事業者の方々も、インボイスを発行するために課税事業者になるケースも多いようです。そうしたインボイス制度を機に課税事業者になる免税事業者向けに、令和5年度税制改正で特例措置が設けられました。 そこで、簡易課税と特例措置を中心に最新の消費税のポイントを解説します。選択する方法により、消費税の納税額が大きく変わることもあるため、慎重な検討を行いましょう。 (1)納付する消費税の計算方法 納める消費税は、課税売上げに係る消費税額(売上税額)から課税仕入れ等に係る消費税額(仕入税額)を差し引いて計算します。売上税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引くことを仕入税額控除といい、2023(令和5)年10月1日のインボイス制度開始以後は、原則課税により消費税の計算を行う場合、原則としてインボイスの保存がなければ仕入税額控除ができなくなります(※...
2023.04.17 税務ニュース
愛とお金 愛を形に残すことはとても難しいです。 日本人の性格上、愛を言葉に表すことも苦手な人が多いのではないでしょうか? 愛を表現する形は色々ありますが、税理士という職業柄、愛をお金で表す場面に遭遇することはしばしばあります。代表的なものとしては、「奥様に愛の証として指輪を贈る」、というものがあります。大変無粋な話ですが、税理士的な目線から見ると、この指輪に贈与税が課税されるのか、が気になってしまうところです。世の中には様々な職業の人がいますが、お金に関する職業に就いている人はどうしても貨幣価値に換算して物事を考える癖がついてしまっているものです。 貨幣価値に置き換えると、物事の大小は客観的な“数字”に置きかえて考えることができ、理解しやすい面はあります。もちろん、金額の大小だけで物事のすべてを判断できると考えている人はいないと思いますが、金額に換算すると単純化することができるのも事実です。 110万円という壁 話を戻しましょう。 「指輪に贈与税がかかるのか」という問いです。問いに対する回答は、ほとんどが“いいえ”ですが、理論上、まれに“はい”というケースが...
2023.04.11 社会保険ワンポイントコラム
2022年4月、10月と、改正育児介護休業法が順次施行されました。男女問わず育児休業を取得しやすくなるよう数々の改正が入りましたが、その中でも育児休業取得の柔軟さを実現したのが「分割取得」です。分割取得を利用することで様々な取得パターンが実現でき、個々の考え方や生活スタイルに合わせた育児休業取得が可能になります。そこで今回は、夫婦の子育てを支援する育児休業の「分割取得」の制度を解説します。 育児休業の「分割取得」の概要 まずは育児休業そのもののルールをおさらいしておきましょう。現在、子どもが2歳になるまで、下図のように育児休業を取得できます。 これまでは1度職場復帰したら再度育児休業を取得することができませんでしたが、2022年10月よりこれらの育児休業の分割取得が可能となりました。同タイミングで新設された出生時育児休業も取得すれば、夫婦で育児休業を取得できるパターンは従来よりも多くなります。 では、それぞれの休業制度の分割のルールを紹介します。 産後パパ育休 育児休業 (上図「育児休業(1)」) 分割可能回数 2回まで 2回まで 会社に申し...
2023.04.06 税務ニュース
2023年度税制改正では、インボイス制度の激変緩和措置として「2割特例」が設けられました。納税負担が少ないとのことですが、他にもメリットはあるのでしょうか。注意点も含め「どれくらい節税できるのか」をお伝えします。 2023年度税制改正で加わった「2割特例」とは 2割特例とは、消費税の納税額を「預かり消費税-預かり消費税×80%」で計算するという特例的な措置です。納税額が預かり消費税の2割に収まるので「2割特例」と言います。2023年度税制改正で設けられました。 導入の背景には、インボイス(適格請求書)の発行事業者の登録率の低さがあります。東京商工リサーチの分析によれば、2022年12月時点で全体の登録率は50%を超えたものの、個人事業主の登録率は23.7%にとどまるとのこと です。個人事業主には免税事業者が多いのが特徴です。納税負担の重さと手続きの煩雑さを避けたい心理が働きます。 この状況を受けて設けられたのが2割特例です。免税事業者の心理的なハードルを下げ、事業主の登録を後押しするのが狙いだと見られます。 2割特例の4つのメリット 2割特例には、次のようなメリットがありま...
2023.03.13 税務ニュース
令和4年1月1日から電子帳簿保存法が改正され、電子データで授受する請求書等の保存ルールが変更されました。これに伴いクラウド型の会計ソフトを中心に電子帳簿保存法に対応する動きが進みました。ただし、令和5年12月31日までは経過措置としてデータを印刷して保存することも認められていますので、本格的な施行はそれ以降となります。また、令和4年12月に発表された税制改正大綱においても新たな改正案が記載され、令和6年1月からの取り扱いが明確になりました。 そこで、今回は電子帳簿保存法と関係するNPO法人について解説します。 改正電子帳簿保存法 電子帳簿保存法の内容は①電子帳簿等保存(会計帳簿等)、②スキャナ保存、③電子取引に区分されます。①と②は任意で電子保存を認めるものですが、③は電子データで授受した資料を原則として電子保存することを求めるもので多くの法人に影響します。そのため、今回は電子取引の改正に焦点を当ててご説明します。 まず、改正後の電子帳簿保存法では、電子データで授受した請求書等を電子データのまま保存することが求められることとなります。具体的には①電子計算機処理システムの概要...
2023.02.22 農家おすすめ情報
農業者インボイス制度開始に向けての確認事項 消費税インボイス制度の周知活動が目立つようになってきた。「さて、これから真剣に考えないと」と重い腰を上げる方も含め以前の記事と合わせて確認していただきたい。また農業者の場合は免税事業者のまま取引できる特例があるため、前回記載の記事を参考に。既に登録済の農業者の方は前回記事、消費税インボイス記載ルールの再確認をお勧めする。 導入直前!2023年度(令和5年度)税制改正の影響 いよいよ2023年10月1日スタートするインボイス制度、2023年度税制改正により消費税等の一部が改正される。今回、農業版消費税インボイス制度について、法改正される部分を中心に解説してゆくのでぜひ参考にしていただきたい。記事の記載にあたり国税庁及び財務省の公表資料をもとにわかりやすく説明している部分は、著者の個人的な見解も含むことをあらかじめお断りする。 早速、気になる改正点をケース別に解説しよう! 小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例) 農家はスーパーにコメ(新之助)の販売で税率8%、1,600円の消費税を預かってい...
2023.01.13 社会保険ワンポイントコラム
2022(令和4)年7月に女性活躍推進法の厚生労働省令が改正され、労働者が301人以上の企業に対して、男女の賃金の差異の情報の公表が新たに義務づけられました。今回は女性の活躍に関する情報公表項目に追加された「男女の賃金の差異」について、算出方法や情報公共についてご説明させていただきます。 男女の賃金の差異の算出方法 男女の賃金差異は、男性の賃金に対して、女性の賃金の割合を%で示します。そして、全ての労働者・正規労働者・非正規労働者の3区分に分けた公表が必要です。算出手順は次の流れになります。 (1)男性・女性、正規労働者・非正規労働者の4種類に分類 女性 男性 正規労働者 女性・正規 男性・正規 非正規労働者 女性・非正規 男性・非正規 (2)4種類の一事業年度の総賃金と人員数を算出 4種類に分類した区分ごとに、それぞれの総賃金と人員数を算出します。総賃金とは、賃金、賞与、手当など、労働の対象として使用者が労働者に支払う全てのものをいい、退職手当や通勤手当等はそれぞれ賃金から除外して計算しますので、源泉徴収簿を用いて総賃金を算出することをお勧め...
2022.09.08 社会保険ワンポイントコラム
働き方改革の一環として改正された育児介護休業法が、今年4月から順次施行されています。10月は産後パパ育休とも呼ばれる休業制度の影響で男性の育休取得が頻繁に取り上げられ注目されていますが、性別に関わらずすべての育休取得者に影響する改正も含まれています。4月施行の内容に加え、10月から何が変わるのかもきちんと押さえておきましょう。 出生時育児休業(産後パパ育休)の新設 10月の施行で最も大きな改正は、出生時育児休業の新設です。これは、出生後8週間以内に4週間まで取得できる育児のための休業です。この「出生後8週間」という期間は、出産した女性にとっては産後休業の期間です。そのため、多くのケースでは男性が取得することが想定され、「産後パパ育休」とも呼ばれています(以降、「産後パパ育休」)。出生後8週間を境に、8週間までを「産後パパ育休」、8週間からを「育児休業」、と呼び名が変わることも押さえておきましょう。 また、産後パパ育休の新設に伴い、従来あった「パパ休暇」は9月30日をもって廃止されます。 産後パパ育休の概要は以下の通りです。 対象期間 子の出生後8週間以内に4週間まで取...
2022.07.15 社会保険ワンポイントコラム
大企業においては、2010年4月から月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が25%から50%に引き上げられておりましたが、いよいよ来年4月から中小企業にも適用されます。法改正の内容と必要な対応について解説します。 割増賃金とは 使用者は、原則として労働者に、1週間に40時間、1日に8時間(法定労働時間)を超えて労働させてはならず、また、毎週1日(または4週4日)以上の休日(法定休日)を与えなければならないとされています。(労働基準法第32条、同法35条) ただし、当該事業場で労働基準法第36条による時間外・休日労働に関する協定(いわゆる36協定)を締結した場合は、法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させることができるとされています。そして、使用者が時間外・休日労働をさせた場合は、労働者に対して、通常の賃金を割増した賃金(割増賃金)を支払う必要があります。また、午後10時から午前5時の深夜時間帯に労働させた場合も、深夜労働に対する割増賃金の支払いが必要になります。 その際の割増率を「割増賃金率」といい、労働基準法第37条で次のように定められています。 割増賃金率 ...
2022.05.01 農家おすすめ情報
2022年問題!都市農地の生産緑地を解説! 都市農業を営まれる都市農地は一般的に面積が小さく、地方で大規模に農業を営まれている方はどのような印象を受けるのか。 生産緑地は、生産緑地地区の指定から30年を経過すると市町村に買取り申出ができ、2022年に当該農地の8割が指定後30年を迎える。多くの農地が宅地化され都市部の地価が下落するのではないかと懸念され2022年問題として話題になっていた。先頃、国土交通省の調査で生産緑地のうち、少なくとも7割程度は農地として存続する見通しであるとのコメントがあった。 都市部での農業を考えている方は、本稿を読まれ少しでも参考にしていただきたい。記事の記載にあたり国土交通省・財務省・農林水産省の公表資料をもとにわかりやすく説明している部分は、著者の個人的な見解も含むことをあらかじめお断りする。 生産緑地制度とは? 良好な都市環境の形成を図るため、市街化区域内の農地の計画的な保全を図るもの。生産緑地地区内の農地の所有者は税制上の軽減措置を受けることができる一方、自らによる耕作が要件とされている。 用語解説 市街化区域 都市計画法に基...
2022.04.22 税務ニュース
上場株式の配当金や上場投資信託の分配金は、工夫次第で節税できます。課税のしくみが節税を許しているからです。ただ、令和4年度税制改正で期限付きとなりました。今回は、上場株式の配当金課税について解説します。 上場株式の配当金の課税は「選択式」 上場株式の配当金など配当所得の一部は現在、課税方式を選択できます。このしくみを、最初に確認しておきましょう。 上場株式等の管理口座はこうなっている 上場株式の配当等は現在、次のいずれかの口座を選択し、運用します。 特定口座とは、投資した金融商品を管理する口座の一つです。上場株式等が対象となっており、証券会社などの金融機関で開設します。誰もが投資をしやすくすべく、平成15年に始まりました。 特定口座で運用すると、金融機関からの報告書で簡単に確定申告ができます。また、源泉徴収アリの特定口座を開設すると、確定申告はいりません。売買益や配当益が出る都度、証券会社が所得税と住民税を源泉徴収し、税務署に納めてくれるからです。 源泉徴収アリの特定口座は所得税・住民税それぞれで課税方式を選べる 「源泉徴収アリの特定口座の運用益は確定申告しなくていい」...
2022.04.15 社会保険ワンポイントコラム
働き方改革の一環として改正された育児介護休業法が、今年4月から順次施行されます。 国の調査によれば、約5割の女性が出産・育児を機に退職しており、「仕事と育児の両立が難しかったから」が退職理由の約4割を占めています。また、夫の家事・育児時間が長いほど、妻の就業継続に繋がり、第2子以降の出生割合も高いとの結果も出ています。このように、育児と仕事の両立支援は、少子化の進む日本では重要な経営戦略の1つになりつつあります。まずは4月施行の内容をしっかりと押さえましょう。 妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別周知・意向確認 まず、妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対して、以下の措置が義務化されます。 1. 育児休業制度に関する以下の事項を個別に伝えること 育児休業・産後パパ育休に関する制度 育児休業・産後パパ育休取得の申し出先 育児休業給付に関すること 育児休業・産後パパ育休取得期間の社会保険料の取り扱い 2. 育児休業取得の意向を個別に確認すること ※産後パパ育休については、2022年10月1日から対象 これら2つの措置は...
2022.03.20 中小企業おすすめ情報
2022年4月1日、改正個人情報保護法が施行されます。 個人情報保護法は加速する情報化社会の中で個人の権利や利益を守りながら、事業者へも情報を活用する利便性を確保して社会経済を適正に発展させることを目的とする法律です。 今回の改正内容は時勢の流れに適合し、従来の個人情報の取り扱い方法を「6つのポイント」で変更するものとなっています。以下で具体的な改正事項をご説明します。 個人情報保護法が改正された背景 個人情報保護法が当初に制定されたのは2003年であり(全面施行は2005年)、今から15年以上も前です。2015年にも改正が行われましたが、その後もめまぐるしい勢いで変化する社会情勢に対応するには内容を適宜アップデートしていく必要があると考えられます。 そこで2015年の改正の際に「3年ごと見直し規定」が導入されました。3年ごと見直し規定とは、国際的な動向や情報通信技術の進展状況、個人情報を利用する新産業や発展状況などを踏まえて個人情報の取り扱い制度を3年ごとに見直すという規定です。これを受けて2020年、法改正が行われたのが今回施行される改正法です。 今回の改正では個人の...
2022.03.14 社会保険ワンポイントコラム
はじめに 今、国では「全世代型社会保障(=すべての世代に給付やサービスの対象を広げ、すべての世代が負担能力に応じて、負担し、支えあう仕組み)」を最重要課題として位置づけ、そのための優先施策に高齢者雇用の推進を掲げています。先進諸国中、最も速いスピードで少子・高齢化が進んでいる日本。労働力確保のためにシニア世代の活躍は不可欠です。 国民一人当たりの負担を抑えつつ、必要な社会保障ニーズを充足するためにも、できるだけ多くの高齢者が働き、給付を受ける側から負担する側に回ってもらう必要があります。そんな中で生まれた高齢者雇用推進改革のひとつ「マルチジョブホルダー制度」。今回は、マルチジョブホルダー制度の概要とポイントについて解説します。 マルチジョブホルダー制度とは? 雇用保険は、メインの勤務先での“1週間の所定労働時間20時間以上”であって、かつ、31日以上の雇用見込み等の要件を満たすことで加入できます。この「週20時間以上の判定」が、今まではひとつの勤務先のみの算定でしたが、今回の改正により、複数の勤務先を合算して算定できるようになりました。つまり、複数の仕事を掛け持ちしているケース...
2022.02.28 社会保険ワンポイントコラム
出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにすることを目的とし、2022年4月1日から3段階で育児・介護休業法が改正されます。育児休業取得率は、女性は8割台で推移している一方、男性は、2020年で約13%と女性よりも低い水準であるものの、上昇傾向にあるようです。 しかし、育児休業の取得期間は、女性は9割近くが6か月以上となっている一方、男性は8割が1か月未満となっています。月末日を含んだ短期間の育児休業を取得するとその月の給与や賞与から控除される社会保険料が免除されますので、短期間の育児休業の際は月末日を含むものが多いようですが、今年、保険料免除制度の改正がありますので、注意が必要です。 育児休業中の社会保険料はどうなる? 育児休業中の社会保険料については、健康保険法第159条及び厚生年金保険法第81条の2の定めにより、育児休業をする被保険者を雇用する事業主が、保険者等(協会けんぽ等)に申し出ることにより、被保険者・事業主、両方の社会保険料負担が免除されます。 社会保険料が免除される期間は、「育児休業等を開始した日の属する月から...
2022.02.10 税務ニュース
令和3年度電子帳簿保存法の改正はメリットばかりなのか!? 令和3年度税制改正によって、電子帳簿保存法(以下「電帳法」という)は抜本的な改正がなされている。この改正は、税務行政が納税者の利便性の向上や課税・徴収の効率化・高度化をデジタル・トランスフォーメーションの推進で、抜本的改革を実行しようとしていること※1が背景にあるようだ。 ※1国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション‐税務行政の将来像2.0‐」令和3年6月11日 納税者側の申告や納税といった実務の利便性が向上することは歓迎される一方で、電帳法が改正されることは納税者にとって、メリットばかりだろうか?特に、税務調査の現場では、電帳法改正がどんな影響を及ぼすのかわからないので、デメリットもあるのでは? と考える経営者も多いと思われる。 今回は電帳法の改正が与える税務調査への影響について考えることにしたい。なお、本稿の意見に関する部分は、筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りする。 令和3年度税制改正では、大きく分けると➀国税関係帳簿等保存②スキャナ保存③電子取引の3つがあるが、電子保存は、①と②の適用は...