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掲載日 : 2022.06.22 / 最終更新日 : 2025.05.08
IT・ガジェット情報

独立すると、営業活動・ビジネスパートナー探し・資金調達などでご自身のビジネスをプレゼンする場面があります。人によってはセミナーに登壇して人前でプレゼンする機会もあることでしょう。
このシリーズでは、ロジカルで美しいプレゼン資料の作成技術を、全7回にわたって解説します。
前回は、プレゼンの全体構成の組み立て方を解説しました。シリーズ第2回の今回は、各ページの内容をロジカルに構成する技術を解説します。
日ごろ何気なく「あの人はロジカルだ」等と言いますが、ロジカルであるとはどういうことでしょうか。
それは、「誰にでも分かる話ができる」ということです。「えっ、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、これは簡単なことではありません。誰かに複雑な話を説明するとき、「このくらいの説明で分かってくれるだろう」と聴き手の理解力に頼って、説明資料作りを不完全なまま終わらせたことはありませんか。あるいは「分かる人にだけ伝われば良い」という姿勢で資料作りをしたことはありませんか。優秀な方でも、そういう経験のある方は少なくないのではないでしょうか。
聴き手にすんなり理解させるためには、多大な労力と工夫が必要です。「誰にでも分かる話」をするには、その労を惜しまない姿勢が必要です。「ロジカルな人」とは、聴き手への配慮とホスピタリティにあふれる心を備えた人のことです。
プレゼン資料作りにおいては、各ページの内容作りの段階で、このホスピタリティが特に求められます。
プレゼン資料の各ページの基本的な構成要素は、以下3つです。

ページの内容は、以下のステップで作りこみます。
タイトルには「今から何の話をするか」を端的に書きます。
このシリーズの第1回で、ページタイトルだけ埋めた骨格を作成済みですので、ここではタイトルの文言を磨き上げます。タイトル作りのポイントは以下3つです。

メッセージには「このページで言いたいことを一言でいえば、こう」という文言を、端的に書きます。メッセージ作りのポイントは以下2つです。

メッセージは省略されがちですが、プレゼンを成功させるためにはきちんと書くべきです。メッセージが書かれていないと、聴き手に「この人はこのページで何を言いたいのだろう?」と考える負担を与えます。プレゼン時に口頭で補うとしても、文字になっていない情報は聴き手の頭に残りませんし、その場にいない人には伝わりません。また、メッセージが書かれていないページでは、書き手自身にも「そのページで何を言いたいか」が分かっていない場合が多いものです。

図表は、メッセージを図解したり、メッセージより詳しい情報を補ったりするのに使います。
プレゼン資料を投影する場合、図表に使うフォントのサイズは20~24ポイント程度が目安です。18ポイントを下回るフォントは、プレゼン環境によっては読んでもらえない可能性があります。

以上、今回は聴き手に優しい「ロジカル」なページ作りを解説しました。次回のシリーズ第3回では、ロジカルに構成した内容を、「美しい」資料で表現する技術を取り上げます。
経営コンサルタント 古市今日子
株式会社 理 代表取締役
経済産業大臣登録 中小企業診断士
外資コンサルティングファームなどで16年間経営支援の経験を積
事業再生に携わるほか、自治体の経営相談員や創業支援施設の経営
中小事業者・起業希望者の経営相談への対応件数は年間約200件