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国は「若者雇用促進法」「障害者雇用促進法」「次世代育成支援対策推進法」「女性活躍推進法」などの法令に基づき、さまざまな方たちが働き続けることができる社会を目指しています。そして、雇用推進に優良な取り組みをしている事業主に対して、主に以下のA~Dにあるような国の認定制度があります。
今回は、各制度の「主な認定要件」についてご紹介します(詳細な要件につきましては厚生労働省ホームページでご確認ください)。
若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小事業主が対象
【主な認定要件】
障害者の雇用の促進及び雇用の安定に関する取組の実施状況などが優良な中小事業主が対象
【主な認定要件】
次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定し、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした事業主が対象
【主な認定要件】
女性活躍推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定し、取組の実施状況が優良である等の一定の要件を満たした事業主が対象
【主な認定要件】

実際に国からの認定を受けるためには、数多くの要件をクリアしなければならず、会社として相当な努力を積み重ねなければなりません。しかし、そのような努力を積み重ねたからこそ、大きなメリットもあります。
認定に向けた「3つ」のポイントをまとめました。
例えば、みなさまの会社で「若者を積極的に雇用している」「障害者雇用率を達成している」「男性も育児休業を取得している」「女性の社員が多い」などの現状があれば、各認定制度を目指す上で大きなチャンスです。大切なことは「うちの会社に強みはないよ・・」と最初から諦めるのではなく、社会の実情に照らし合わせ、相対的に『会社の強み』を見つけることです。
普段は当たり前と感じていたことが「これって、うちの会社の強みかも!」「この認定であれば、うちの会社も目指せるかも!」と気づくこと、その第一歩が大切です。
国からの認定を受けたとしても、それで満足しては意味がありません。「認定を受けたこと=新たなスタート」と捉え『会社の戦略』を考えましょう。
例えば、以下のような戦略です。
また、仮に認定を受けることができなくても「認定を目指すこと」だけでも大きな価値があります。認定を目指す過程を通じて、課題が明らかになり、新たな目標へとつながるための『会社の戦略』を考える大きな機会となるからです。
認定の可否に関わらず「認定を目指すこと」は、従業員にとっても大きな影響を与えます。認定を目指すためには、必然的に会社の中でさまざまな取り組みを行うことになりますから、従業員も『会社の本気』を感じることになります。その結果、従業員が「若い方たちや障害者の方が、働きやすい環境をつくらなければ!」「ハラスメントを防止し、育児休業などを取得しやすい職場環境をつくらなければ!」という意識が醸成されていきます。
「認定を受けること」も大事ですが、それ以上に「認定を目指すこと」が大事です。会社が積極的に法令を遵守し、認定のためにアクションを起こすからこそ『会社の本気』が従業員へ伝わり、誰もが働きやすい職場環境の醸成につながり、会社の生産性にも大きく関わっていきます。
ぜひ、新たな一歩を踏み出し、国の認定を目指すことをご検討ください。
社会福祉士・社会保険労務士 後藤和之
昭和51年生まれ。日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科卒業。約20年にわたり社会福祉に関わる相談援助などの様々な業務に携わり、特に福祉専門職への研修・組織内OFF-JTの研修企画などを通じた人材育成業務を数多く経験してきた。現在は厚生労働省委託事業による中小企業の労務管理に関する相談・改善策提案などを中心に活動している。